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天井いっぱいに布を下げて波のように見せること
シャンデリアに高い予算を使うのであれば、その予算を全部布に使ってみては。そんな無茶な発想は実験の連続と、作る人の心意気で始まった。
まずどんな感覚で吊すべきなのか紙を用いて天井からさげてみる。
枚数と、照明、スプリンクラーなどの他の設備とどう整合性をとっていくのか。。。
もちろん3Dで検証してはいるものの、天井全面を使ってとなると擬似体験と実体験ではそうとう感覚が違うはず。現物の実験が欠かせない。
布の枚数を制限すると間が抜け、照明を全てに入れていかないと影が出るため布はコストダウンのつながるが
照明コストはアップする。
布の距離を半分にし、高さの上下で波をイメージすることに。足場があるうちに仮の布で実験。
布の先端を処理するための折り返しが響いてアールの出方がかわってしまう。そしてこの綿のような風合いが重い。
布は防炎されてないといけないのですが、私のイメージは麻のような風合い。防炎品はないので特注でポリエステルで布を作ってもらうことにした。
照明のフレアが出ないようにボックスを作って入れてみる。返ってボックスが目立つなぁ。。。
この天井の波は数々の苦難が立ちはだかりましたが、建築設備の方、照明メーカー、そしてテキスタイルメーカーさんなど様々な分野が違う人の
知恵と技術と綺麗なものを作る!という意思の結集で出来上がった数あるデザインの中でも思い出深いもの。
出来上がりはWORKSの中のアニヴェルセルみなとみらいのザテラスをご覧ください。